大阪や地方の音楽教室や専門学校でレッスンをした時によく受けるのが「やっぱり、プロを目指すなら上京した方がいいですか?」という質問です。
答えはもちろん「Yes」です。それは何故か僕の経験談で解説して行きます。
僕が上京したての頃は、楽器とでかいバックパックだけの荷物でした。大容量で1つにまとめると便利ですよ。
上京した方がいい理由
1.そう思っている時点で上京した方がいい
自分の憧れの存在ってどこに居ますか?
- バンドで売れたい!好きなバンドみたいに活躍してツアーに出たい!
- 歌手になりたい!憧れの事務所に所属してデビューしたい!
- ギタリストになって有名なアーティストのサポートをしたい!
- 作曲家になりたい!好きなアイドルや声優さんに楽曲提供したい!
自分が憧れる存在や好きなアーティストって、どこで活動してますか?大体東京じゃないですか?そんな憧れの存在と同じ環境に身を置いておかないと、同じような存在になれないと思いませんか?

でも….僕はまだまだ実力も中途半端だし、東京に出ても通用するかどうかわかりません…
じゃあ実力が十分になる時っていつでしょうか?今の環境で実力が十分になる見込みがないから「上京しなきゃ」って思ったんじゃないですか?
そんな感じで燻っているうちに、あなたが25歳くらいになった時に、「え!?あの後輩が?」テレビやメディアに出てる姿を見ることになりますよ(焦)
2.仕事は東京に集中している
昔、音楽の専門学校の先生が「音楽業界の規模って、豆腐業界と同じくらいやで」
と言っていました。この情報が正しいかは知りませんが(笑)どう感じますか?

いや〜やっぱ豆腐業界と同じくらいの規模って事は音楽業界すげぇな!

ん?音楽業界ってもっと規模が大きいと思ってた…
エンタメは「魅せる」仕事なので、もしかしたら音楽業界自体は、思っているより大きく見えているかもしれませんね。
特に調べたわけじゃないので知りませんが。
とはいえ、音楽のお仕事は東京に集中しているように思います。
実際僕も大阪で活動していた時より、東京に拠点を移したあとの方が、仕事の規模も、ギャラの額も何倍〜何百倍にもなりました。
参考に、僕が大阪に居たときと、今の主な仕事の内容の違いをリストにしました。
大阪に居た時の主な仕事
- ギターレッスンの講師
- ジャズクラブでのギグ(ライブ)
- ホテルのロビー、クラブや、商業施設でのBGM演奏
- インディーズやアマチュアアーティストのサポート(バックバンド)@カフェ〜ライブハウス等
- インディーズやアマチュアアーティストの作曲・編曲
- 楽器店の商品チェック・動画撮影
etc…
東京に移ってからの主な仕事
- メジャーアーティストの作曲・作詞・編曲
- ドラマや舞台の劇伴制作
- アニメ主題歌などの制作
- メジャーアーティストやアニメ主題歌などのギターレコーディング
- メジャーアーティストのサポート(バックバンド)@ライブハウス〜アリーナクラス
- 歌手や声優のレコーディングディレクション
- ライブ制作・アレンジ
- 自身のリーダーライブ・セッション(最近やってない…)メンバーは憧れの楽器プレイヤーさん
- 楽器メーカーや、楽器店でのイベントや開発協力
- ギター・作曲レッスンの講師
- ホテルのロビー、クラブや、商業施設でのBGM演奏
…いかがでしょうか?大阪に居たときから一応音楽の仕事だけで生活していましたが、明らかに今の方が良い生活しています。僕にとっての良い生活って好きな時に好きなだけ楽器や機材を買える事なんですけどね。(笑)
ただ、僕は今でも月に数日は関西や大阪で仕事をしています。音楽で仕事を始めた時からお世話になっているお店や教室とのご縁はできる限り守りたいからです。「東京行くから辞めます」みたいな自分勝手な責任放棄をする事はできるだけしたくありません。
あと、「東京で活躍しているミュージシャン(笑)」としてお仕事で呼んでもらう事はあります。
上京しなくても上手く活動できるタイプの人
上にも書きましたが、僕は大阪で活動していた時から、一応音楽の仕事だけで生活していました。
できれば慣れ親しんだ地元を離れずに活動したい人は、その活路を見出す事もできると思います。
地元で音楽活動(仕事)の活路を見出す
1.完全に東京に身を置く必要はない
大阪に住んでいた20代前半の時は、上京するつもりは全くなかったのですが、ギターが上手くなりたい気持ちは大きかったので、「東京の先生に習おう」と、月に一度夜行バスで関東にレッスンを受けに行ったついでに、東京圏のジャズクラブのジャムセッションに回っていました。
その時のご縁で、友達ができたり、時々演奏や仕事にも呼んでもらっていたので、その都度移動する、という感じで生活していました。
このように、「必要な時だけ東京に行く」というのがリスクもなくて良いんじゃないでしょうか?

でもそれって、新幹線とか交通費めっちゃかかりませんか
東京遠征の費用
例えば2泊3日で大阪から東京に行ったとして
- 新幹線片道13,000円、往復大体26,000円
- ホテル代1泊10,000円、2泊20,000円
- セッション、ライブチャージ 2本行ったとして大体10,000円
- レッスン受講代金 大体10,000円
合計:66,000円
いやめっちゃ高いな。笑
駆け出しのミュージシャンってすこぶるお金無い人が多いと思うので(偏見)66,000円ってだけでも昇天しそうな額ですね。しかもこれで飲食代や諸々換算してないので、おのれの贅沢次第でもっと掛かる事になります。東京って美味しい店や楽しい所が多いですから。
僕もよく好きなアイドルの期間限定カフェや、東京にしかないブランドショップに行って追加散財していました…。
僕は地元が大阪なので大概都会でしたが、梅田やなんばクラスの街が東京にはそこらじゅうにあります。誘惑しかないですこの街。
ある程度あなたがアーティストとして知名度を確立している状態でしたら、その土地でコンサートやイベントを開いて費用を補填できる可能性はありますが、今回は純粋に勉学、修行のための費用として記載しました。
極力交通費や宿泊費を抑えるために色々な方法をとっていたのでそれを紹介しますが、長くなったので別記事にまとめました。
交通費・宿泊費をケチった結果
- 新幹線片道13,000円、往復大体26,000円→バスor相乗りで8,000円くらい
- ホテル代2泊20,000円→格安ホテルで2泊5,000円くらい
- ジャムセッション、ライブチャージ 2本行ったとして大体10,000円
- レッスン受講代金 大体10,000円
合計:33,000円
半分くらいになりましたね!これで好きなアイドルの期間限定カフェにいけます。
これで、もう1泊して別のセッションに行こうかな?とか視野が広がりますよね。
東京で活動してると一目置かれる?
例え地方で活動していたとしても、しょっちゅう東京に遠征やツアーに出ていると、地元のアーティストやミュージシャンに「東京でやってるヤツら」として一目置かれる場合があるので、そのためにもある程度の赤字でも行く価値はありますねw
2.地元ゆかりのミュージシャンとしてやっていく
ご当地ミュージシャンってやつですかね。
大阪や、地方でもプロミュージシャンとしてはやっていけると思います。その条件や特徴は以下にまとめました。
また、東京のミュージシャンがツアーに出る時、予算や諸々の都合で、各地でバックバンドのメンバーを揃えることがあります。地元でこの楽器プレイヤーと言えばこの人でしょ!みたいな存在や、そのアーティストや関係者と繋がりがある場合は、そういう現場に呼ばれるかもしれませんね。
バンドのツアーで言うと、各地で地元バンドと対バンするって感覚でしょうか。
結論:東京には猛者がいる
地方でも「自分次第」でなんとでもなると思いますが、やはり東京に来てからは上手いミュージシャン、すごい作曲家、やばい詐欺師、大きい組織が身近にたくさんあります。
そういう環境に自分を置くことが何より成長のきっかけになると感じています。
ただ、「音楽が楽しい!」と思える範囲でやる事が一番大事だと思うので「本当にプロになりたいのか?」という事を今一度考えて、最も芸術表現ができる環境で音楽と付き合っていただきたいです。