DTMをしている皆さん。アウトボード機材って持っていますか?
ずっしり存在感のある機材たち。
あぁ〜プロの人がよく使ってるやつですよね。
うちは狭いんでこんな大きな機材沢山置けないです。しかも今時こんな大きな機材入れなくても、プラグインやシミュレーターでよくないですか?
そうなんです。最近は(とういか僕がDTMを始めた当時から)この大きなアウトボード機材の機能をソフトウェアで再現したものを使用できます。
もはや、「ソフトウェアは知ってるけど、実機は見たことない」という物も多いのではないでしょうか?僕もソフトウェアでしかみた事ない機材は結構多いです。
そういう意味では、貴重なビンテージ機材や、超高額だったりメンテナンスが不要なアンプでも、同じ音なら気軽に使用できるソフトウェアってとても便利です。
そもそもアウトボード機材って何に使うの?
わかりやすく言うと「エフェクター」です。「アンプ」です。
ギタリストに対してわかりやすく言うと、あなたが使っている足下のコンパクトエフェクター、それの一つ一つが、マーシャルとかのギターアンプくらい大きくなったやつだと思ってください。それを一つ一つシールドで繋いでいくわけです。
えぇええ、そんな大変な事するんですか?コンパクトエフェクターで良く無いですか?
よく無いんです。笑
ギタリストが使っているのは「コンパクト」エフェクターなので、そもそもが小型化された先進的な機材なんですよね。でも、やっぱり大は小を兼ねるというか、フルサイズの機材は何も犠牲にされていないフルサイズの音が出せるんです。
その昔は、タンスみたいなエフェクトラックを持ち運んでライブするギタリストも多かったらしいですよ。爆笑(まぁ今でも大きな現場だとあり得ますけど)
ただ、実際アウトボードで使うのはコンプやマイクプリアンプが多いです。あとはEQや、当然ですがギターアンプなど。
最近はコンパクトエフェクターも含め、実機をつなぐより、シミュレーターだけでギターの音を出してライブするのも普通になりましたよね。
例えば、このHX Stompも実機ではありますが、シミュレーターです。この黒い箱の中に何百ものエフェクターのデジタルシミュレートが入っています。アナログ実機で繋いだらステージ全部埋まっちゃうくらいの情報量です。
プラグインは実機と同じ機能なのに、画面の中だけで収まっちゃう。
かさばるしメンテも必要な実機に対して、シミュレーターやソフトウェア、プラグインはとても楽ちんです。
じゃあ何故アウトボードを使うのか?
大きい機材に囲まれて、それっぽい気分を味わいたいだけでしょ?要は自己満足。
まぁおっしゃる通りです。笑
正直アウトボードがなくても、プラグインのエフェクターだけでも完パケまで持っていく事は可能です。
でも、やっぱアウトボードっていいんですよ。音が。
例えば、上記写真にもあるように、僕は実機の1176タイプのコンプを持っていますが、プラグインのUADの1176も使っています。
ただ、素の音で聴くとほぼ同じです。
ネット上には、よく実機とプラグインの音を比較しているサイトやブログがありますが、そちらを参照してもらうと判ると思うんですが、本当にびっくりするくらい同じです。
じゃあやっぱ実機使う意味無いじゃん。。。と思うかもしれませんが、
違いが出るのは、混ぜた時なんです。
表面じゃなくて、耳に聴こえない部分や、EQでいじれないような「音の核」が、アウトボードを通した音にはあります。
天然のウナギと、養殖のウナギ、見た目はほぼ同じだけど、うな重になった時、天然の方が格段に美味しいですよね?あんな感じです。笑
だから、素の音(見た目)だけ比べて、「あぁ〜似てる!」とか「近い!」とか「プラグインでいいじゃん〜!」とか言うの、意味無いんです。笑
まぁそれで満足する程度なら、それでいいんですけどね。笑
エフェクターとかプラグインって、実際の曲(料理)に使って初めて意味がある物だと思いません?笑
まぁその「モノ(ウナギ)」自体が好きで、ただ比べたいって言うのもわかりますが。。。w
僕的なアウトボードとプラグインの使い分け
楽曲を作っている時、「核となる」音は、アウトボードを通して録音します。そうする事により、太く存在感のある音になるため、楽曲の中でもしっかりと鳴ってくれます。
逆に、飾りにしたり、メインとしない楽器はプラグインを使うと、いい感じに「そこに居てくれる」感じになります。
音が「太くなる」からと言って、何でもかんでもアウトボードを通してしまうと、ごちゃごちゃに鳴ってしまうので、あえて、デジタルで録る事によってバランスが取れるわけです。
なので、1176の「質感」が欲しいけど、楽曲の核になる楽器には「実機」を通して使い、楽曲の核にはならないけど1176の質感だけ付加したい時は「プラグイン・ソフトウェア」を使う事によって、バランスを取ることができます。
実用例
実際の例をご紹介します。
先日発売した「LAST FIRST」さんの編曲を2曲させていただきました。
実機を使った音
まず、以下の楽曲「Beach」です。とてもいい曲ですよね。
デジタルビートではあるのですが、夏の質感を出したかったので、生楽器との調和を考えた結果、ギターを中心核に置こうと思ったので、楽器はテレキャスターで、Two Rockの実機アンプから、1177コンプ、EQなど全部実機を通して録りました。
楽曲自体はギターがめちゃくちゃ出てる、と言うわけでは無いですが、単音でも存在感のある音になっているのが解ってもらえるかと思います。
プラグインを使った音
続いてこちら。KOKOKARAという曲です。こちらも気持ちが上がるとても素敵な楽曲です。
こちらは、イマドキのSoul寄りのヒップホップを意識しており、サウンドの核になるのはドラム、ベースとブラスなので、ギターはあまり目立ちすぎてほしく無いけど、不可欠、という意識でサウンドメイクしました。
左右でギターのカッティングが入っているのが聴こえると思うのですが、こちらはThreedots LPから、HX StompのFenderのシミュレート→UADの1176プラグインで録っています。
どうですか?音自体はいい感じだけど、いい意味で主張しすぎない雰囲気になっていると思います。
また、デジタルで収録しているので、デジタルビートとの相性もやっぱり良いです。
楽曲についての詳細は以下記事にて。
結論:生系は実機、デジタル系はプラグイン。
という感じです。バンドモノなど確実に実機で録った方が良いです。
また、「デジタル系の曲だけど、生感を付与したい!」という時は、ギターやベースをアウトボードを通してもいいですし、例えばスネアだけをリアンプ(インターフェースからアウトボードに出力して、録音し直す)するとかも良いと思います。
でも最近は明らかに「プラグインしか使っていない」ような楽曲も多いので、今の若い方には、プラグインの音の方が馴染み深いかもしれませんね!
うまく使い分ける、それが良いサウンドメイクへの近道だと思います。