僕がギターを始めた2005年頃は、Youtubeが出始めくらいの頃でまだそんなに多くの動画も上がっておらず、有用な教則動画などもありませんでした。(本当にお世話になったのはJerry Cさんのカノンロックくらいかなぁ。)
ギターの教則サイト等は多くはなかったのですが、今のように広告目当ての内容の薄いク●みたいなブログやサイトが少なかった分、内容に特化した、しっかりとした有用なサイトにヒットしやすく、とてもお世話になった記憶があります。
とはいえ、最も現実的な情報収集は、一番身近なプロである、ギターの先生や、CDショップに出向いて店員さんや詳しい人に聞いて回る、ライブハウスで先輩バンドの方に教えてもらう、ライブを観に行く、など、とにかく自分の足で駆け回ったものです。
最近、学生の生徒でも「ライブを見に行った事がない」とか「ライブをした事ない」という子が結構多いです。
じゃあどこで情報収集すんの…???wwって僕みたいな老●は思ってしまうのですが。。。
令和のミュージシャンは、VTuberさんをはじめ、活動の100%をネット上で行う事も普通ですから、練習や情報収集もネットだけで完結するのも、まぁ今は普通なのかなとも思います。。
ライブとか生の感動を知らないのって、勿体無いなと思いますけどね。。。笑
とはいえ僕自身も今の仕事は8割以上WEB上で完結してますけどね。。笑
WEB上で簡単に情報が手に入るようになったメリットと弊害
今はYoutubeをはじめ、TikTokなどでもサクッと知りたい事を検索して、情報を手に入れる事ができます。
この事に関して、「自分で研究しろ」とか「すぐに検索せずに辞書を引け」など、兎に角時間を掛けさせようとするおじさんや先生がいます。
これらを100%批判する気はないんですが、今、簡単に手に入るようになった情報は「時間を掛けて得る価値」はもうないと思います。
そりゃその先生たちは、苦労して研究して時間をかけたのかもしれませんが、それを若い人に押し付けちゃいけません。
僕が習った最もベテランの先生は(1936年生まれの超ベテラン、日本のジャズギター会の超重鎮です)、チョーキング(ベンディング)一つ習得するのにも、ジャズ喫茶に足繁く通って、何ヶ月も掛かったと仰っていました。
今の時代、チョーキングを覚えるのに何ヶ月もかけてられますか?こうやって先人が発見して導いてくれた情報は、ありがたくサクっといただいて、次に発展させる努力をしないといけないんです。
それを、自分と同じ努力をさせようとする中堅の先生や先輩などの頭カッチカチの意見は半分聞いて半分聞き流すべきです。笑
その考えはなんとなく以下でも書いています。
でもね、掛けた時間は裏切らない
でもね、たったチョーキング一つに何ヶ月も掛けた先生の音、「めっちゃ深い」んです。
やっぱり、穿いて捨てているような練習で手に入れたものと、しっかりと練習して時間を掛けて習得したものとは全然違うんですよね。
同じチョーキングをして音を出しているはずなのに、何かが違うんです。
この何かっていうのが、芸術であって、音楽の不思議な所なんですよね!!!
あの人のギターって、上手いよね〜。より、あの人のギターって素敵で良いよね〜!
って言われる方が、僕は嬉しいです。この違いわかりますか?
前者は「あの人料理上手だよね」、後者は「あの人の料理、おいしいよね」
っていう感覚です。どうですか?上手でも、おいしくないと食べたくない(お金を払いたくない)ですよね?
平成生まれ以降はなんでも出来る世代
以上の事から、ギターのテクニックを習得するのは、そんなに時間も鍛錬も必要なくなりました。(ある程度のとこまではね)
ギターの中でも、ロック、ファンク、ジャズ…色んなスタイルがありますが、今となっては一つのジャンルに絞った所で意味がありません。全てできて当たり前、というほど、習得するための時間が必要なくなりました。
でも!
先にも書いた通り、一つに掛けている時間が短い分、深みが少ないんです。
そんな事言われても。。。と思うんですが、僕自身もよく先生方に指摘されます。
逆に言うと、プロの方々はその「深み」を語る事ができるんです。
いくらギターがうまくても「深み」がないと、一流のプロは認めてくれません。
あと、実はリスナーこそ、その「深み」に気付いています。
これは本当です。深みは経験からしか得る事ができません。
今のミュージシャンは個性がない
以上の事から、今のミュージシャンは、何でもできるけど個性がない
らしいです。笑
僕もどちらかと言うと、何でもそつなくこなしてしまうタイプなので、それが常に悩みでもあります。
でも、何でも好きだからしょうがないんですよね〜。。。
じゃあ昔のミュージシャンは個性的なのか?
と言われると。。。まぁそうなんですかね。クセの強いミュージシャンや個性のある歌手は、昔の方が多いと思いますね!
でも、今のミュージシャンでも、個性的な歌手や唯一無二のミュージシャンはいます。
ただ、埋もれちゃっているんです。
天才を埋め尽くしてしまうほどの秀才が居る
誰でも情報が簡単に手に入るようになった、と申しましたが、そのため、「ある程度のレベル」であれば、誰でもなれるようになったため、その数が多過ぎて、本当の天才が埋もれてしまっているように思います。
天才は、どんな時代でも天才です。昔の時代であれば、選ばれし天才だけが手に入れられる栄光を、現代はリスナーが多種多様な聴き方、受け取り方を選べるようになったため、その栄光はその他多数の秀才とシェアしないといけなくなり、天才は絶対的存在感を示すことができなくなったのかもしれませんね。
あと、ライトな情報で満足をするリスナーが増えたため、深すぎる天才の音楽なんて聴けないのかもしれません。w
僕としてはこんな時代でよかった
僕は残念ながら天才ではないのは自負しています。
多分、今のベテランの先輩や先生方と同じ世代だったら、プロになれてなかっただろうなぁと思います。
今は自分さえやる気があれば、家庭環境が普通でも、ある程度の所まではできます。
僕自身も、音楽を仕事にしてなんなく生活することは叶っています。それだけでも感謝です。。。
ある先生に「僕は、一つのジャンルに絞れないんです。好きなものが色々あり過ぎて、どれも中途半端な気がしてしまいます」と相談したところ
「じゃあ、全部まとめて一つって事にしたらええやん」
と言われて、すごい気持ちが楽になりました。
全部まとめて一つと考えて、その上で、自分の音楽を次のレベルに持っていく、と言う風にポジティブに生きていきます。笑