締め切りギリギリまで作業しているようじゃコンペには通らない

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コラム
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作曲家が仕事を得る方法の1つである楽曲コンペについては今までも何度か記事にしてきました。

楽曲コンペについては、楽曲を選ぶ側からすれば数多くの曲から選定できるのでメリットはありますが、作家側は通らなけらば不良債権になるだけです。そんなシステムを批判する声は大きいですが、通ってしまえばいいだけの話で、クオリティの高い「通る楽曲」を作ることができれば問題ありません。

また、現状の自分の実力では全く関わりの持てないレベルのアーティストの仕事の門を開いてくれているという意味でも、トライする価値は大いにあります。

とはいえ、すぐに勝てるようなものでもないのも事実で、勝てると思って提出しても負け続けてはただ疲弊して挫折してしまうだけです。
決め打ちや他の仕事を良い具合でバランスを取れればベストですよね。

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締め切りから逆算して作業スケジュールを組み立てると、頓挫する

例えば、締め切りが7日後だから、それから逆算して2日前までに仮歌発注、3日前までに楽器収録、4日前までに歌詞を完成、じゃあ今から3日以内にメロを書くか〜。

生徒A
生徒A

じゃ、とりあえず明日から作業始めるとして今日はゲームすっか〜。


となり、結局始めるのが3日前とかになりがちです。笑
しかもそういう時に限って、横槍で別の仕事が入ったりもします。

それで予定がパツパツになって歌詞も間に合わないし、仮歌の人のスケジュールも合わなくて、大事なメロを作る作業時間を削って人探しばかりしてしまい、結局締め切り前日は徹夜で作業。。。

こんな曲がコンペに通るとは思えません。
作家を初めた当初は僕もこんな感じでした。作曲は芸術ですから、スケジュール通りに「良いメロディ」が降りてくるほど都合の良い事はありません。

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コンペに出す楽曲は締め切りギリギリではなく、発注がきてすぐに書き下ろす

僕はコンペに出すときはこれを心がけています。
事務所がせっかく取ってきてくれたコンペの案件です。

メールで発注書が来て、気持ちが高ぶった瞬間が一番良いメロが出てきやすいです。
それを速攻で書き上げて、スケジュールは組み立てずにとにかく体力が切れるまで作業をしてしまう。

そうすると、大体1日で楽曲の骨格ができてしまいます。
そこから一晩寝かせると、昨日気づけなかったウィークポイントや、改善点が見つかるので、それの修正で2日目。

3日目には余裕を持って仮歌の発注ができて、遅くとも5日目には楽曲が仕上がります。
その時点で提出してもいいのですが、僕は場合により締め切りギリギリまで寝かせます。

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提出時期は慎重に

提出期限ギリギリに出すメリット

楽曲ができてから提出ギリギリまで寝かせると、さらに微調整やミックスに時間をかけたり、もう少し歌のピッチを綺麗にしておこう、など、楽曲のブラッシュアップをする事ができます。その細かな一つ一つが、コンぺ勝利への条件に繋がっていきます。

楽曲ができてすぐに提出してしまうメリット

善は急げと言いますが、締め切りが短い案件ほどクライアントも焦っています
そういう時はとっとと曲を提出してしまって「あぁ、この曲で全然いいよ!もうこれでいきましょう!!」と言ってもらえると、締め切りも前倒しになり、自分の曲で早々に決定してしまいます。
こういう経験は何度かあるので、ある種僕の勝ちパターンでもあります。笑

デメリットもあり

先の通り、クライアントも焦っている可能性が高いので、早く提出したもののクライアント的に80点くらいの曲だと「この雰囲気でもうちょっと良い曲できませんか?」的な感じで自分の曲を共有されてしまって、他の競合相手に手の内を明かされてしまう場合があります

このパターンも、経験したことがあります。怒
実際に僕がコンペで落ちた案件で、後日採用された他の曲を聴いた所、明らかに僕が作った楽曲と構成や雰囲気が同じでした。絶対にこうだ!と言い切れない所があったのでグレーな所ですが、何とも言えない気持ちになりました。

逆に、別の機会で明らかに「80点のデモ」がクライアントから送られてきてそれを元に書き下ろした事もあったので、「あぁそういう事なんだなぁ」と思った事もありました。

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コンペに通らない作家の挙動抜粋

僕は自身で楽曲を書く以外にも、他の作家さんからコンペ用のデモにギター録音をする依頼も受けています。知人や先輩の楽曲だととても有意義なクリエイティブな作業になり「うぉ〜これ絶対通るだろうな」となるのですが、
時々紹介された人や知らない所から依頼があったときに「せっかくお金払ってもらってるけど、これ絶対通らないだろうなギター入れるの申し訳ないわ」と思う楽曲や作家さんもいたりするのですが、その特徴が以下です。ちなみに、僕も過去はそういう事を他人にしてしまいましたし、そういう楽曲で通った事はありません。

何度も資料を送り直してくる

録音用のステムや譜面のデータをメール等で送付してもらうのですが、「さぁ作業始めようかな〜」と思ったときに

メールの向こうの人
メールの向こうの人

すみません!Bメロのコードの修正があったので再度資料をお送りします!

あ、そうなのね。了解っす。(ちゃんとまとめてから送ってこいよ〜。。)
と思いつつちょっとお茶してからProtoolsを立ち上げると

メールの向こうの人
メールの向こうの人

イントロを伸ばしたので、再度資料をお送りします!お手数をおかけします!

あ。。。はい。。。
で、こういう人に鍵って、データがクリックと合わないとか、書き出し位置のミスをやらかします。

メールの向こうの人
メールの向こうの人

すみません!書き出し位置がクリックに合っていなかったのですぐに資料書き出し直します!あと、リバーブを調整して楽曲に入りやすいようにしました!

リバーブよりもっとやる事あるやろ。。。

まず、楽曲の方向性が固まってないのに録音しても、絶対後からまた直したい所が出てくるはずです。
特に人に楽器や歌を頼んでいたら、再発注がすぐにできるかもわからないのに、結果的に人を振り回すわ、コンペには通らないわ、依頼費用で赤字になるわで何にもなりませんよ。

何度もミスに気付いて書き出し作業をしてくれるのはありがたいですが、その時間をメロ作りに使って欲しかったし、作家さんは仮歌の方や僕に気を使うために曲を書いているわけではないですよね?

提出先のアーティストに歌ってもらうためです。

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締め切り前日に頼んでくる

メールの向こうの人
メールの向こうの人

ギターの録音をお願いします。コンペの締め切りが明日27日の朝10時なんですが、それまでに収録可能ですか?

えっと、自分が何言ってるかわかってますか?笑(そのとき26日の夜10時)
ミックスやエディットの時間を考えると録りに2時間もかけてられませんよね。

こういう事を経験して得たもの

スケジュール管理ができるようになった

先にも書いた通り、物事を前倒し前倒しでしておくことによって、時間にも余裕が生まれ、クオリティを担保しつつもこういう無理難題な依頼にもスッキリ答えられるようになりました。

なるべく人に迷惑をかけないように自分のスキルを上げる

芸術作品を作っているわけですから、やっぱりスケジュール通り行かない事も多々あります。
僕はギタリストで作曲家ですが、こういう経験があってから、自分の枠を取り払おうと思って、専門の人に発注しないといけない歌詞、仮歌、ベースやピアノ、ドラムまで自分で入れれるようになりました。

実際にコンペに通ってアレンジの作業に入ってしまうと、しっかり予算の中で、改めて専門のプレイヤーにお願いするかどうかを検討できますが、デモの段階で人に頼んでいると自費なのでそんなたくさんお金は掛けられませんよね。
「コンペに通ったら実際のコーラスもお願いします!」なんて言って安くで仮歌を歌ってもらって、その曲がコンペに通った事は何回ありますか?

僕は幸いにも優しいプレイヤーさんや先輩方に助けられてきましたがw
デモの段階では自分一人で完結できるようになって、心身共にとても楽になりました。

最後に

兎に角、余裕を持って行動する事が成功の秘訣だと思いますので、僕もこれからも気をつけていきます。作家活動に少しでも参考になれば幸いです。

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