音楽業界以外で人間観察をしていると、今まで会わなかったような面白い人が沢山いた。

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コラム
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インディーズソフビを集め出して1年くらい経ち、仕事以外に熱心になる事が初めてだったので、音楽と照らし合わせて思ったことを書いて考えをまとめることにしました。
熱いヤツほど胡散臭い。自分も含め音楽業界は口先だけ達者で中身のない人が多いです。
達観してる人ほど冷静で熱さもコントロールできます。

ソフビを集めていて関わる(極力友達は作らないようにしてますが)人たちをみていると、興味深いと感じる事が多いです。

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普段関わらない人間を観察できて面白い

僕はどっぷり音楽業界の人間なので、それ以外の業界で関わりのある人って家族や美容師さんとか、それくらいしかいません。

業界の中だと自分の立場や専門とする楽器の種類、上下関係などちゃんとしているのでそれなりの秩序があるのですが、ソフビを集めていると全然関係ない人と関わることがあるので、いかに自分が「一般人」かと思い知る事が多いです。

僕は曲がりなりにもステージに立ったり、指導する人間なので、多少はすごい人、先生!みたいに扱っていただいてちょっと鼻が伸びいていたのですが、ソフビイベントに行って普通に列を抜かされたり、忖度なしの抽選でハズレたりしてると、屈辱的な思いをすることもあるのですがこれが楽しいと気づきました。
音楽を始めたときの「登り詰めてやるぞ!!」という気持ちに近いものが湧き出ている気がします。笑

熱いファン=転売ヤー?

いきなり極端な事を言いますが順を追って考えを述べます。

基本的に情報源はSNS

ソフビの販売やイベント情報はもっぱらSNSで繰り広げられています。
「今から、2時間の間ソフビの抽選販売の応募受付します!」みたいな事もしょっちゅうです。

僕もあんなに嫌いだったSNSをよくみるようになりましたし、如何に情報を掴むかでソフビをゲットできるかが決まってきます。

そんな中、検索でヒットしたファンの方が話しているポストを拝見していると、色々な人間模様(駆け引き)が見えてきます。

インディーズソフビは希少価値≒存在価値の側面がある

デザイン、かっこよさ云々も魅力なのですが、「レアなアイテム!」「転売!」「ポケモンカード!」「スニーカー!」
のようなある種「資産」としてソフビをみている人が少なくありませんし、僕も普段買っているソフビたちが抽選販売や個数が絞られている物でなく、店舗に行っていつでも買えるものであればわざわざ買ってないものもあると思います。(実際ムビモンとかはあまり買わないし。)

これは明言している作家さんもいて「インディーズソフビなのに”大量生産しろ”ってどういうこと?」というような発言を目にした事もあり、作家自身でもうまく需要と供給、転売価格と定価のバランスを取ろうとしているのだと思いますし、そういった自己プロデュースがうまい作家さんは人気を獲得しているようにも思いました。

こういうことは”大量生産”をしている大手メーカーでも計画してやっているとは思うのですが、発言の一つ一つ、作品の一つ一つに重みが出てしまうのは”個人レベルのインディーズソフビメーカー”がやっている事だからです。

レアなソフビは自己顕示欲を満たしてくれる

レアなソフビをゲットしてSNSに上げると、そのソフビや作家さんのファンの方がいいねしてくださいます。そのような投稿をにいいねをもらえると嬉しいのですが、ぶっちゃけ有名なアイドルの作曲をしたときの投稿の方がケタ違いでいいねされるので、慣れてるっちゃ慣れているのです。(関係ない普段のポストには一桁しかいいね付かないのに…)

そんな中、言い方は悪いですが人にちやほやされた事のない一般人(この言い方嫌いだけど今はこれで行かせて)が、レアなソフビをゲットしてSNSに上げただけでいろんな人がいいねしてくれるので、ヒーロー気分なってしまうのではないか?と勝手に危惧してしまいます。

ヒーローの僕は作家と友達になりたい

ソフビ作家さんは、SNS上でファンの方と頻繁に絡む方が多いです。これは僕の業界から見るとすごく驚く事で、音楽業界はあまりファンの方のコメントやリプライは返信しない(ように事務所に言われているアーティストさんが多い)ので、ソフビ作家さんが丁寧にひとりひとりのソフビ投稿やコメントに返信されているのを見ると凄いなと尊敬する一方、気軽にお互いコミュニケーションが取れてしまうので、そのまま作家さんと仲良くなり「お友達」になると、抽選購入の時に有利にはたらくのではないか?という思考がはたらき、鬼絡みをしてしまっている場面を見ます。実際それが購入に有利にはたらく事実もあるようです。

てかまぁ、逆の立場で考えるとお得意さまを優先するのは当然ですけどね。これも個人レベルでやっている面白さでもあり、怖さだなと思います。

なぜソフビが欲しいのか?がわからなくなる

ソフビを買うためにSNSでたくさんの人と絡み、作家さんともマメに連絡をとる。
抽選に当たると気持ち良く、SNSでもヒーローになれるので
これ買いました!あれ買いました!とバンバンポスト。”買って上げる事”にハマってしまう。
そのうち「レアものだ」と言う”情報”だけでほしくもないソフビに手を出して気づけば飾るところもなく、開封もせず放置。

そんな放置してしまっているものが仮にフリマサイトで高く売れるなら….

売っちゃいますよね?

次から次へと発売されるソフビ、1人や2人の作家さんだけ追いかけていればなんとか追えるものの、あれやこれやと手を出していると本当に手が回らないし、高額なものなら1個10万円くらいする物なので、普通の収入の方で家庭もあるとすぐにギブアップしてしまうように思います。

そして気づけば次の”狩り”のために”資金集めのために要らない戦利品を売り”を繰り返しそのまま転売ヤーに転身してしまう人も多いのではないでしょうか?

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あるSNSのアカウントを見てて”熱いファン”が消えていく一部始終を見た

自分の好きな作家さんの事を調べていると、よく見かけるな〜このアカウント。という方が結構います。
その中でもひときわ作家さんやファンの人たちと絡んでいて、節操なくすごいペースで色々買ってる人が面白くて時々見てたのですが(“ソフビ”と検索するだけで出てくる)ある日突然SNSから姿を消しました。

そして数日たったある日、まんだらけの通販サイトを見ていると、その方が大事そうにポストしていたソフビが販売されているのを発見したのでした。

あんなに大切にして「一生の宝物」と言っていたものを手放したんだw
と思いつつ、改めてその方の推移を振り返ると

・頑張って作家さんに擦り寄ってソフビを買おうとする

・当たらない

・別の作家さんにターゲットを変更

・当たらない

を、繰り返し。
しかも、それぞれ作風が全然違うのに何故か”SNSで人気”で、フリマサイトでは”高額”で取引されている作品を作っている作家さんばかりでした。

上記のように、「ブランド力」や「希少価値」も大事な要素ではありますが、やっぱりソフビの「デザイン」「造形」「色」etcの作品自体が好きだと言うのがまず前提であって欲しいと、作り手としては思うんじゃないですかね。俺は作り手じゃないので知らんけど。

そして、そのうち所謂「SNS疲れ」を起こし、そもそも本当に欲しいものは何なのか、ソフビの何がよくて集め出したのかを見失ってしまい、お財布もさむ〜くなって”大切なソフビ”を手放してしまったんでしょうね。

偏見なのですが、そういう人はそもそも「当たらない」傾向にあると思います。

作家さん側も「”本当に好き”で買っていない」人は分かるんだと思います。販売先はある程度選ばないと、転売されたり開封もせずにそのまま押入れに詰め込まれてしまって「自分の作品は誰のために作っている?」となってしまいます。

“そう言う人”は「開封しない」派が多いと思います。

ソフビに限らず「未開封・新品」の方が高くリセールできます。だからと言ってソフビやフィギュアなんて開封しないと面白さがわからないものを、袋に入った状態で「造形がいい!」「色が素晴らしい!!」とか言うのもちょっと変だなと思います。

楽器で例えると、ギターは弾いて使うものなのに、買ってきてハードケースにしまったまま「かっこいい!」「良い音なんだ!」と言っているような感覚です。めっちゃ変ですよね。

「未開封で保管しておいたら価値が出るかも知れないので投資してます」
と言ったほうが潔い気が…でもそんなん言ったら大ひんしゅくですよねww

一方で、”コレクター”と言われる方々がいるおかげで、貴重なビンテージギターが綺麗な状態で現代まで残っている事実もあるし、僕も楽器やソフビを飾って眺めるのも好きなので全面的に否定する事はできません。

ビンテージギターは弾くとキズが入り価値が下がります。(弾きこまないと音は良くならないのに)外に出して使っているとシーズニングで色が変わり劣化するので、それも価値が下がります。

つまり開封せず保管するのは、使う<完全にリセールを考えている からです。
リセールを考えて物を買うことは僕もしますし、楽器は「消耗品」と考えて導入する一方「買い替えの際に売って足しにできるように、シールをはったり汚くせす綺麗に使う」くらいの事は考えています。

ちなみに10年前に買ったBenedettoのギターは、今の市場価格で3倍くらいになっています。

リセールを考えるのは「賢い」が、作家さんの距離感が近い作品でやる?

大量生産をしているものでなく、ほぼ手作りの作品を作家から直接買っているのにそう言う側面が見えてしまうと、作家としてはいい気持ちでは無いと思います。

とはいえ作家さんも商売でやっているし、買った人がどう扱おうがその人の勝手ではあるのですが、そのために”本当に欲しかった”人が買えない状況に陥りやすいため、転売屋や人海戦術(興味のない人集めて自分が欲しいものの抽選に参加させる)、知名度を使って購入している人たちへの批判が目立ちやすいのかもしれません。

て書いていますが、最近僕も買ったソフビを開封しない事が増えてきました。危険です。

そしてすぐに燃え尽きる

抽選で当たり、沢山のソフビをゲットしてSNSでヒーローになり気持ちよくなったものの、あるタイミングで不満が爆発します。

それは、「当たる(優遇してもらえる)」と思っていた抽選・選考販売で外れた時。

俺はこんなに大枚を叩いて追いかけている」のに「なぜ優遇してくれないんだ??」


つまり自分は「トップファン」になった(と勘違いに気づかず)のに、裏切られた(と思い込んだ)時

ソフビ収集は運も大事な要素なのでお金や媚び売りだけではどうしても抗えない部分があります。
本当はお金もきついし毎回イベントに行く予定を立てるのもしんどいのが溜まって溜まって、そう言うタイミングで一気に爆発してしまいます。

集めはじめて数ヶ月でトップファンになんてなれるはずがありません。
音楽だと「初心者から数ヶ月でプロになる」みたいなものです。多少の知識は勉強すれば数ヶ月で身に付きますが、「本質」は何年もやらないとわかりません。
そういえば似たような人種について以前記事にしていました。

燃え尽き症候群というのでしょうか?熱心に集めて発信している人ほど「ぱったり」いなくなってしまいます。

音楽もそうですが「ボチボチなペース」でやる事が「趣味として楽しんで長く続ける」秘訣なのかもしれませんね。

音楽業界でもこういう人っているよね。

上記別記事でも書きましたがこんな例があります。

ただ自分の凄さを認めてほしい

ギターレッスンの仕事をしてる時に時折遭遇するのですが、自分で頑張って練習して、勉強したすごい知識を「すごいだろ!」と言わんばかりに見せつけてくるレッスン生。年に1人はいました。笑

20年やってるこちらから見たら浅はかすぎて笑えるんです。自分の事を過信しすぎるとこうなってしまいます。

そして、少し指導しただけでプライドが傷つけられ、すぐに辞めてしまいます。

ほんとにそのジャンルが好きでやってる?

ボクは、ネオソウル(笑)がすきなんです!(ネオソウルという言葉がにわかぽくて嫌いなので笑をつけました)

といいながら、変形ギターで隠せない縦ノリのハーモニックマイナーフレーズを弾いてしまってる。ほんとはネオクラシカルの人ですよね…?

流行ってるから、オシャレそうだから、、という理由だけでジャズを弾こうとしている。

これ、見る人が見たら1音で気づかれます。

媚び売って仕事もらいたいだけでは?

自分で書いてて悲しいのですが「海津さんのギターや曲が好きなんです!」と言ってくれるのは嬉しいんですが、当サイトの実績ページをちらっと見た程度の知識しかなったりする時。

そして、僕も海津さんのような”サポートギタリスト”になりたいんです!と。

全然うれしくありません。笑

それで仕事振ってくださいとか現場に連れていってくださいとか、、間に合ってます。

まあ、僕自身も下請けで大々的に自分の作品を出してないのも悪いのですが…反省。

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つまり…すぐボロが出る

嘘をついて見繕っても、見る人が見ると魂胆がうすら見えてしまうという事です。

そして、それがバレてしまったと気づいたらすぐに手を引いてしまう。

思いが本当なら石の上にも…的な感じで3年は頑張らないと本質は見えないと思います。

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最後に

いつも通り自分の業界の話や愚痴に流れてすみません。

ただ、僕が普段仕事で関わる人たちは”試練を潜り抜けてきた人“ばかりなので、それ以外の色んな考えや年代、自分の立場や価値観が通じない人たちを観察するのは勉強になるし、今回の記事である程度考えもまとまったので良かったです。お付き合い頂きありがとうございました。

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