僕は10代の頃〜20代中盤までは、ギタリストやギター講師の仕事と並行して、バンド活動もしていました。バンドコンテストで優勝したり、オーディションで入賞したりはしましたが、所謂バンドでの「メジャーデビュー」をはじめ、仕事として何かを成し遂げる事はありませんでした。
原因は色々あって、そもそも個人のミュージシャンとして当時から一応生計を立てられていたので、バンドに集中しておらず運営自体は人任せにしていました。
自己満足で音楽をやりすぎていて人のためになる良い曲を作れていたなかったなどありますが、「上手く目標を立てれていなかった」事も大きかったかなと思います。
最も、自分の意見があまり通らず振り回されている気がしたので一人でやってた方がマシだと思い足を洗いました。
思い返してみると、バンドの目標の立て方や、考え方に違和感を感じていたのでそのポイントを解説して反面教師にしていただきたいと思います。
その1:出演する箱(ライブハウス)ばっかり気にしている
今定期的にこの50人キャパのライブハウスのイベントに出演してるから、3ヶ月後にはあの100人キャパの所に出て、半年後には●●のフェスに出れるようにしよう。
出るライブハウスやクラブの格付け=自身のアーティスト・バンドとしての価値と結びつけている人って結構いる気がします。
その価値のあるライブハウスに「見合うバンドになれているか?」「見合う曲が書けているのか?」「そもそも、それだけの人数のファンがいますか?」
僕はバンド運営は人任せにしていたので偉そうに言える立場でもないんですがw
一歩離れた所から傍観していると、売れていないバンドの多くは「どこのライブハウスに出たか」でマウントを取り合っているように思いました。
50人キャパのライブハウスのブッキングライブ(複数バンドがシェアするイベント)でチケットノルマも達成できず自腹を切っているバンドが、100人キャパのライブハウスにステップアップするするのって、より大きく勝ち目のないノルマを自分に課せるわけですよね?w
まず50人いっぱいでワンマンライブできるようになるためにどうするか考えた方が良いと思うんですが。。どうしても周りの価値観に飲み込まれて意地を張って身銭を切ってノルマを飲んでしまうんでしょうか。
例えるとこんな感じ
- 家賃3万のボロアパートに住んでるけど、高級外車乗ってる人
- ティーン向けブランドのセールで買った3,000円のセットアップに、中古で買った高級ブランドロゴがどでかくプリントされたTシャツをインナーに着ている高校生
- テロンテロンの服を着ているのに、なぜか高級バッグを持って電車に乗っているおばさん
- 1R6畳の家にホームシアターを設置しちゃった人
に近い感覚だと思うんですよね。ちょっと滑稽というか。
特に高級ブランド品って持つべき人が持つと映えるけど、逆だと「ブランドに着られてる感」出ちゃいますよね。(人の事言えない)
それとは逆に…納得する例
- B’zの松本さんが1959年製のレスポールを使っている
- Charさんがフェンダーカスタムショップから自身のニューモデルをリリース
- 全身グッチを着ているMIYAVIさん
これは全部納得しません?笑
まさに鬼に金棒です。
「天下取ったらこういうの着よう」じゃなくて「こういうの着れる奴が天下取れる」んじゃないんですか?出典:ア●ムのCM
おっしゃる通りなんですが、アーティストとしては結果的に「それに見合った作品」を書けている事が重要です。
出るライブハウスやクラブの格式ばっかり気にして、自分の作品や自分自身のアーティストの価値を後回しにしてしまっていませんか?
そして、目標を達成できず、一歩先に抜け出した人の事は無かったことにして、同じ燻っている仲間同士で傷の舐め合いが始まり「3ヶ月後…半年後,,,」と言っていたのがが「そのうち…いつか…時代が追いついたら」となっていきます。
そのお決まりのセリフが以下です。
その2:自分は今の時代に合っていない(時代の先を行っている)音楽をしている。
未来を知っているはずなのに、なぜか現世で受け入れられない音楽をやって生活に苦しんでいるんです。笑
ゴッホは生前は評価されず、後々天才と言われたんだよ。
俺に時代が追いついたら売れるんだ。
こういう「未来の超人w」に限って、こういう何世紀も前の情報の伝達の遅さを引き合いに出したりしますよね。笑
今どき海外の人ともネット上でセッションできる時代です。
もうちょっと現世の人に合わせてご自身のやってる音楽のレベルをちょっと下げてくれたら良いのに。。。できないんですね。w
「今」の音楽を作る事から逃げないでほしいです。
「作れそうなもの」ほど「作れない」んです。
それができた人が「ちょっと先」へ行く事ができるんです。
その3:お客さんの求めているものを提供していない
キャー!あなたのバンド、500人キャパのライブハウスに出てる所が好きー!
って感覚で音楽聴いてる人っていますかね?
いたとしてもスーパー少数派じゃないですか?
やっぱり、ミュージシャンは「良い曲を書く(or 表現する)」事じゃないですか?それと同じくらい「憧れの存在(カッコイイ、かわいい)」であるべきだと思うんです。ステージに立つからには。
なんであんなク●みたいな奴が売れてるんだ。俺が音楽業界をひっくり返してやる。(と豪語して10年が経過した。)
世間から見たらあなたの方が●ソだからなんですよね。
そんな奴にここまで歴史があってしっかりと積み上げられてきた音楽業界をひっくり返されてたまるか、と思います。
ちゃんと日本の音楽業界、リスナーの事を知ってから、それをクリアできてからそういう事を言ったほうが良いと思うし、違うなら宇宙とかに行ってもらった方がいいです。
その4:売れているのはコネがあるから
あいつは両親が金持ちで、レコード会社にコネがあるからデビューできたんだ。曲だってお金かけただけで対して売れていないじゃないか。
一理ありますが、コネの一つも金の一つもできていない、あなたの活動や曲にも問題、ありませんか?
コネだって、自分自身で掴んでいくものだし、その大切な一つ一つのコネだけがあなたを助けてくれるんです。
よそはよそ。うちはうちなんですよね。笑
あなたに対しても「音楽ができるなんて贅沢だ」って僻んでる人がいるかもしれませんよ。
最後に
やたら説教みたいになってしまいましたが。。
僕はバンドマンとしては挫折してしまった一人なので、偉そうに言える立場ではありません。
でも、アーティストとして「良い作品を作る」=「リスナーが求めている物を作る」=「1歩先のアイデアを提供する」事は確かです。
売れていないバンドのデモや音源をを聴かしてもらっても、大体が日本においての「良い曲」のいろはが解っていないです。
まずは、どうしたら「良い曲・良い作品」が作れるのか、一緒に研究してみませんか。