2024/5/1
代理店変更によりエンドース解消となりましたが、現在も継続して使用しているので引き続き記事は公開します。
Cordobaギターを扱うキクタニミュージックさんより、Cordobaギターについての取材を受けました。
動画内で大体言いたい事は言いましたが、せっかくなので記事にもする事にしました。
エレキギタリストがエレガットを持つ必要があるのか?
結論から言うと「あります。」
僕は一応メインはエレキギターを弾くギタリストと思っていますが、結構な割合で
「ナイロン弦、クラシックギターで録音をお願いできますか?」
とか
「1曲ギターとボーカルのコーナーを設けたいのですが、しっとりとナイロン弦のギターでいけますか?」
とか。
ライブの中の1、2曲だったとしてもこれで「Yes」と言えないと次の仕事は来ません。笑
僕は元々クラシックギターもやっていて(19歳〜8年くらい割と本気でやっていました)、ナイロン弦には全く抵抗がないのですが、一般的にクラシックギターはネックが太く、ネックジョイントも12Fからとかなので、エレキで弾き慣れている人から見るとかなり前時代的な楽器に見えるし、弾きにくいです。
そんな中、クラシックギターの質感を残したまま、エレキのプレイアビリティに近づけたナイロン弦ギターやエレガット(プラグインできる)が存在します。
なぜCordobaのギターを導入したのか
僕は元々、「河村和行」さん製作のハカランダを使っています。
このギター、めっちゃ高かったです。笑
でも、無茶苦茶いい音なんです。
難点はフルサイズのクラシックギターなのでちょっと弾きづらいです。
当たり前ですがトラスロッドが入ってないので詰めた調整はできませんし、ピッチもハイフレットに行くと怪しいです(そこは技術で埋めるのがクラシックギターです)
塗装はかなり薄いので、ライブに持っていって「ガンッ」なんてやってしまったらもうショックで寝込んじゃいます。(とはいえかなり傷も増えて年季入ってきましたけど。。)
一番ポップスの使用で問題なのが、マイクが着いていない事です。
クラシックのコンサートやコンクールだと、マイクなしでホールの生の響きで演奏しますが、バンドなんかで弾くのは全くもって不可能です。
しかもこんな高級なギターに穴を開けてマイクを取り付けるなんて言語道断です。
そこで、使いやすいエレガットを探していた
河村和行ハカランダとは真逆で
- 塗装が厚めで湿気や刻な環境に耐えうる
- ネックが細め、薄めでエレキやアコギとの持ち替えに違和感がない
- トラスロッドが入っている[重要]
- 現場で荒っぽくガシガシ使える価格帯(〜10万円代)
購入候補としては、以下でした。いろんな楽器店へ試奏に廻りました。
- Jose Ramirez R1
- ASTURIAS Recording Rose S
- Cordoba
Jose Ramirez R1
最も最有力だったのですが、プレイアビリティが普通のクラシックギターに近く、僕の目的から見ると中途半端だったので、除外。
生産地はスペインなので、音的には問題ありませんでした。
ASTURIAS Recording Rose S
僕はASTRIASの鉄弦を使用していて、国産で品質もとても良いのですが、本機種はネックが細過ぎて、クラシックっぽいコードを抑えるのが逆に難しかったので、却下。
ブルーススタイルで握り込むのには向いていますが、そもそもナイロン弦で握りこんでチョーキングなんかしない、というか弦が伸びてできないので、僕にとってはメリットがなかったです。
おまけ:YAMAHA APX9NA
昔使っていた事がありましたが、ピッチが最悪&内臓のピエゾとコンデンサーマイクをブレンドできるのですが、ハウリングして使い物になりませんでした。笑
ボディは小ぶりなので抱えやすいですが、そのせいもありThe安いギターの音がします。個人的にシダートップの暗めの音は好きです。
ネックはいい具合に細くて、指板の質感も良くプレイアビリティはかなり良かったです。
現行品は「YAMAHA NTX」となっているようで、これらの問題が解決してると良いんですが。。
そして、Cordobaと出会う
Cordobaのスペイン生産の高級ラインは、良いクラシックギターを買える価格帯(数十万円)なので、今回の候補からは除外ですが、中国生産のリーズナブルなラインだと、10万円以下のモデルも多いです。
え。。。中国生産のギターって大丈夫なんですか?しかもプロが使うのって。。。
結構大丈夫です。笑
一昔前は、正直中国生産の楽器は一切候補に入りませんでしたが、近年は品質も上がってきており、現場で使っても全く問題なく、「そのギターいい音だし高級そうだね!」と言われる事もあります。
ただ、一応購入後信頼するリペアマンの元でオーバーホールはしています。。。(これに関してはどの楽器でもしますが。)
弾いた瞬間、「あ、これだ」と思った
今回の候補の中で、Cordobaが最も安かったので、まぁ除外になるだろうなと思ってましたが、弾いてみると、他の候補のギターに勝るとも劣らない良い音で、
- カッタウェイ
- ネックがちょうど良い細さ(アコギよりちょっと広く、クラシックよりは狭い)
- プリアンプが良い感じ
- トラスロッドが入っている
以上の条件を満たしていた上に価格が安かったので、コルドバに決定しました。
実際、レコーディングでは河村和行、ライブではCordobaという住み分けで使用できています。Cordoba 12 Natural はややフラメンコ寄りの鳴りをするので、レコーディングで使用する事もあります。
(サウンドは記事始めの動画をご覧ください。)
値段相応よりちょっと上を行くクオリティ
何度も言いますが、レコーディングやクラシックの演奏など音質メインの時は「河村和行ハカランダ」を使いますが、 Cordoba 12 Naturalはサクッとライブに持って行ったり、ふと手に取って弾くのにとても良いギターです。もちろんメインとしても張る事ができますが、僕らプロとしては適材適所で判断して使用しています。
Cordobaギター自体にも高級ラインがあるので、もし購入検討していて廉価ラインで不安な方はそちらも是非試してみてください。(そうなってくるとCordobaじゃなくても良い気もするが…)
Cordoba 12 Natural を始め、安いモデルでも、納得できる素晴らしいギターですよ。
以上実際に2年程度?使った使用感のレビューでした。