子供の頃、ゲームボーイ用のボンバーマンのオマケ機能で、自分でモンスターのデザインをドット絵で描いて、攻撃、防御、HPなどのパラメーターも自分で決めて作ったキャラクターを友達のそれと対戦できる、いわばオリジナルポケモンみたいなゲームでよく遊んでいた時期がありました。
パラメーターの割り振りの際、普通だと限られた数値をバランス良く割り振ると思います。例えば持ち数100として
- HP50
- 攻撃30
- 防御20
とかね。んでもって例えば攻撃特化型なら
- HP50
- 攻撃40
- 防御10
とか。
でも、これだと友達と対戦しても、いつまでもいい勝負で勝ったり負けたりの結果でした。
ですが、ある時から、僕が100戦100勝するようになってしまい、ちょっと嫌われました。笑(その友達とは今も仲良いですw)
「お前、何で、そんな強くなってん!!」
と言われても、手の内を明かさなかったのですが、実は以下のようなパラメータにしていました。
- HP5
- 攻撃90
- 防御5
はい。ほぼ攻撃に全振りしていたのです。
一度でも攻撃を受けたら負けてしまいますが、負ける前に攻撃すれば1撃で相手を倒せます。笑
つまり、自分には限られた数値しか無い中で、最大限に活かすには、一つに特化して、何かを犠牲にしなくてはならないのです。
前振りが長くなりましたが、僕は基本的にギターにはとてもお金を掛けますが、生活費や食費などは最低限以下しか使いません。外食も月に一度高級なお店で贅沢をする程度で、普段は自炊です。飲み歩いたりなんかしません。タバコに酒もしません。
家電とかも使えたらOK、という感じです。
ただ、音楽の機材に関してもケチっている時期がありました。そのせいで沢山の時間を失ったように思います。その例をご紹介します。
どうせそんなに稼いでないのに、高い機材なんか買っていい立場なんか?
ある先輩ギタリストに言われた言葉です。例えば、20万円するオーディオインターフェースでも、1万円のオーディオインターフェースでも、ギターの音を録れる事に変わりはありません。
どうせ稼ぎがないのに、借金やローンを組んで高い機材を買ってもそれを回収できる程稼げないのに、買う意味があるのか?という事です。実際その先輩も、仕事で使っている機材は安いものでやりくりしているそうです。言ってることはごもっともなんですが、僕の考え方としては
安い機材を使っている奴には、一生安い仕事しか来ない
です。その先輩も言っちゃ悪いですが特に売れてもいない人だったので、そんな人のアドバイスを聞いてはいけません。
以下にも何となく書いていますので参考にしてみてください。
身の丈ってなに?
身の丈にあった物を使え、背伸びしすぎるな、というのもそうなんですが、「ちゃんと自分が売れて一流のミュージシャンになる」
つもりなのであれば、いつ高い機材を買っても変わりません。何だったら早く導入してその高い機材に慣れればいいんです。もし合わなければ売ればいいんです。高い機材は高く売れますが、安い機材は売れません。ゴミ箱行きです。
いい機材や楽器は、ある種資産にもなります。ビンテージ楽器なんて時代とともに値段が上がるしかないもんね。50年代のストラトなんて、10年前は売値で100万円台でしたが、今は300万円台もざらですよね。僕らの父親世代の若い頃は20万円もしなかったらしいですよ。
これから買う、じゃ遅い
でもやっぱ、今はお金もないし、バックバンドとかでホールクラスの仕事が入るようになったら、その時に良いアンプとかの機材を買います。
その考えで本当に大きな仕事が入ったら、相当運が良いと思ってください。
まず、逆の立場で考えたら、ちゃんとしたアンプをもっていない、メンテナンスのされていない楽器を使っているミュージシャンに、仕事を発注しますか?
例えば、料理人でいうと「あ、僕料理は上手いんですけど、高級料亭の仕事が入ったら、その時に良いマイ包丁買います。今は包丁はレンタルしています。」
なんていう人の料理をお金払って食べたいですか?
ちゃんとしたプロ仕様の機材を持っている、と言うことは、自分の意思の提示にもなるのです。
安い機材を使って時間を浪費していた
高い機材やプラグイン、楽器を買うのには勇気が要ります。
どうにか安い機材で工夫して良いものが作れないか、と悩みますよね。
僕もそうでした。
でも、工夫して良い結果が出たとしても、曲を書くたびにその試行錯誤に時間を使っていたら、勿体無いですよね?
曲を書くことに集中しないといけないのに、機材の使い方ばっかりに時間を使っていませんか?
高い機材、良い機材は時間を節約できる
僕の例ですが、ミックスダウンの作業中、何とかDAW付属のコンプやEQでミックスをしていたのですが、なかなか良い結果にならず、すぐに過剰掛けをしてバランスの悪いミックスになっていました。
今となってはかなり安くなりましたが、「WAVES」でも導入すると良くなるんだろうな〜とは思いつつも、実態のないプラグインソフトに何万円、何十万円もかけるのは気が引けるなぁと、なかなか踏み出せずにいたのです。(実体がないものにお金を払わない癖、よくないです。)
そして時は経ち、思い切ってWAVESを導入したところ、悩んでいた事が一瞬で吹き飛びました。
EQやコンプのかかり方が、わかりやすい。笑
今まで試行錯誤していたのが、たった10分で解決してしまいました。
DAW付属でも、有料のものでもEQをすると言う行為に変わりはないのに、有料の物はここまで変わるのかと。。
本当に、自分のやりたい事にお金はケチってはいけないなと思い知らされた事案でした。
そして、そのさらに上を行くのが、実機です。笑
本当に、かかり方、音質、全てが変わります。判ります。
良い機材やプラグインを使った結果、安い機材でも良い使い方、使い所が判ってくるようになるのです。
他のパラメータにも割り振れる余裕が出てくる
一つのパラメータ(攻撃)に振り切ることは、相手から1撃でも攻撃を受けるとやられてしまいます。
でも、そのリスクを負ってでも、勝ちを重ねる事が大事なのです。
勝ちも負けずもせず時間を浪費するのは勿体無いです。
勝ちの経験が増えて、自分の使えるパラメータが十分になってくると、HPや防御にも回せるようになり、より最強の自分へと導く事ができるのです。
以上、小さい頃のゲームから得た教訓でした。