2022年11月のブラックフライデーにMelodyne 4 Assistant→Melodyne 5 Studioにアップグレードした。

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コラム
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作曲家や編曲家の最も嫌いな仕事の一つ「ピッチ修正」
どんな歌手の歌でも、録音した後に”お化粧”的な意味でピッチや歌のエディットはほぼ必ず行います。
音源「作品」として仕上げるのには必要な工程です。料理の仕上げにバーナーで炙って香ばしさを出す。彫刻作品の仕上げにニスで光沢を出す。ギターやベースで、パンチアウトしてリズムをエディットする感覚に近いです。

でも何故か、歌のピッチ修正は、誰もがしているにもかかわらずネガティブな印象があるのでしょうか?
テレビやライブで歌手が「口パク=リップシンク」している、なども時々話題になりますよね。
口パクに関しては僕は肯定派で、例えばダンスグループが最大限にパフォーマンスをするために、楽曲もしっかり歌ってしまったら体力がもたないし、動きながらの歌唱は限界があります。
息の処理も大変です。それを何故か、悪質なリスナーは歌だけに固執して「あの歌手は口パクだ」などと、揚げ足を取れる事を見つけたからそこに集中攻撃しているだけなんでしょうね。

ところでTVでカラオケ番組を見ていると、音程のガイドが画面に出ていて、やけに上手さ=ピッチの良さに偏っている気がします。

実際、ピッチばっかり気にして無難に歌った歌って面白く無いです。
多少音が外れていても、気持ちをこめて歌ってもらった方が(ピッチ修正で直せる範囲で)結果的に良い作品になるのは明白です。
てか、そういうカラオケ番組とか見てると大概放送してる音源もビッタビタに音程修正してますけどね?笑
間違ったところも大袈裟に間違った音に修正してるから驚きました。(ぶっちゃけ)

話を戻しますが、このように我々クリエイターには「ピッチ修正」という仕事がついて回ります。
先にも書いた通り、うまい歌手のエディットをしている時は、「ここをこうしたらもっと良くなる」という感じでクリエイティブな作業になるのですが、そうではない歌い手のエディットは「あっている音に組み替える作業」でしかなく、全然クリエイティブじゃありません。
「俺はなんでこんな作業をしているんだろう。」と思ってしまう事もあります。

ですが、今回アップグレードしたMelodyne Studioは、そのイライラもかなり解消してくれるとてつもなく優秀なソフトウェアです。

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今までは下位グレード「Assistant」を使っていた

これまでは、そこまでピッチ修正をする機会も少なく、大概は自分の下手くそな仮歌をなおす程度だったので特に困る事はありませんでした。

ちょっとしたギターの修正が入った時に「面倒だなぁ」と思ってしまった。

楽曲制作で修正、変更の際に例えば「C」コードの「ドミソ」を「Cm」の「ドbミソ」の1箇所だけ直す、という時に、そこだけ録り直すのってとても面倒です。さらに、アコギだとマイクをバラしてしまった後だと、修正版では音が変わってしまうので、結局最初から録り直すことになるので、とてもリスキーでした。

複数人のピッチを編集するときに詰んだ

先の通り、自分一人のピッチ修正をする分には問題ないのですが、グループでユニゾンで歌っているデータをエディットする場合、ピッチの他、歌い方やタイミング、ニュアンスもある程度揃えてあげないと違和感、不協和音に聞こえます。
これも、グループの中に「上手い人」と「下手な人」が存在すると、「下手な人」に合わせてエディットしないといけないのです。「下手な人」の歌を「合っている音」に直す事はできるのですが、「上手い人」のような「ニュアンス」をつける事はできません。(もしくは大変困難)
せっかく「上手い人」がたくさんニュアンスをつけてくれていても、結果的にそれを潰す作業をしないといけないし、逆に上手く歌われると面倒になってしまいます。

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Studioにアップグレードしたら、これらが全て解決して作業時短になった

ギターの和音検出→個別補正ができる

最上位版の機能には「和音検出機能」が合って、弾いた後のギターのオーディオデータから和音を検出し、MIDIを編集する用に内声を編集する事ができます。
これは物凄い助かります。
先のように、1箇所だけコードを変更する時にも有用だし、Key=CでⅢのコードの時、「E7」のところでうっかり「Em7」を弾いたりするよくある間違いをしてしまった時にも、これで一瞬で直せます。
しかも精度もかなり高く、編集した跡はほとんど判りません。

複数トラックをソフトウェア編集画面で、並べて編集できる

判りやすいようにマーカーを引きました。

こんな感じで、複数トラックを縦に並べることができるので、タイミングの編集がキッチリできます。気持ち良い!!

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値段は高いけど…必要経費なので。

元々持っていたMelodyne Assistantは2万円台だったかな?まぁ普通の値段です。
でも、Studioはこの記事を書いた時点で10万円近くする高額ソフトです。

いつものプラグインブティックのサイトにて。

まだ僕でも形のないものに高額を支払うのは躊躇してしまうので、(形のない音楽を作っているくせに)高嶺の花ですよね。

でも、ブラックフライデーのときこそチャンスです。もはやこの時しか無いです。

本来10万円のソフトが、アップグレード版という条件とブラックフライデーで6万円UP引き。
やっぱ形の無いもののセールって物理的な原価がないからすごいですよね。(膨大な開発費はかかっていますよ)

これでもまだ高額ですが、しっかりとコレで元を取るだけの仕事をしたいと思います。

ですが、この高いソフトを使わなくても済むように、自覚症状のない下手くそな歌い手の皆さんにはキッチリ揃った歌を歌えるように精進してもらいたいです。。。(毒)

いや、仮歌やコーラスを歌っている以上僕も一応歌手の端くれの端っくれなので、自分自身にも言い聞かせます。「メロダインがあるから後から直すのでいいや」って思うなよと。笑

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