編曲って何しているの?【質問】

スポンサーリンク
プロミュージシャンになるには
スポンサーリンク

楽曲クレジット(作曲:海津信志、作詞:海津信志 とか)の欄に「編曲:海津信志」みたいな表記を見たことありませんか?

スポンサーリンク

編曲家は何をしているのか

生徒A
生徒A

そもそも編曲って何するの?

簡単に説明すると

シンガーソングライター
シンガーソングライター

いや〜世間をひっくり返す良い曲が出来たわ〜!弾き語りのライブでは演奏できるけど、さて音源やCDにするとなったら、バンドバージョンにしたり、オーケストラを入れたりしたいけど、知識もツテもないわ〜。

海津
人様の曲を編曲させてもらうのはちょっと恐縮している、海津

じゃあ僕が楽曲のコード進行を工夫して、楽譜を書いてバンドメンバーを集めて、弦楽器を録音する手配をして、販売する楽曲クオリティに仕上げますね。

と言う感じで楽曲を仕上げるのが編曲家の仕事です。楽曲の芯(=メロ)を作るのが作曲家(ソングライター)、外枠(=アレンジ・編曲)を構築するのが編曲家(アレンジャー)です。


つまり、僕は作曲家であり編曲家であり、作詞家でありギタリストでありベーシストでありプログラマーでありミックスエンジニアでありマスタリングエンジニアでもあり、ボーカルディレクターでありプロデューサーでもありますが、めんどくさいのでまとめて作曲家と名乗っています。笑


また、編曲ができる方でも色々な事情で得意不得意がありますから、専門外のジャンルの曲(メロ)を作った時は、あえて別の編曲家の方に依頼する場合もあります。

生徒A
生徒A

編曲家さんってすごいんですね。というか、作曲の場合メロディ作るだけで「作曲家」を名乗れるって事ですよね?めっちゃ簡単じゃないですか?

いやいやwJpopはメロが命です。世に残るメロディって作れるようで作れないんです。
実は「歌メロが作れない」という編曲家さんも結構います。


多分、メロ作る脳(文系っぽい)と編曲する脳(理系っぽい)ってちょっと違うんだと思います。

スポンサーリンク

編曲は、服をコーディネートする感覚に近いかもしれません。

メロディが出来上がった楽曲に対して、飾りつけをしていくのが編曲家の仕事でした。

例えば、僕自身が楽曲(メロ)だとしましょう。

海津
海津

来週友達の結婚パーティに呼ばれた。でも、普段スーツ着ることもないし何着て行ったらいいのかわからん。。。どんなコーディネートがいいかどこで買ったらいいのか教えて〜

ここで、洋服のコーディネートや販売をしてくれるのが編曲家です。

理論武装する先生
コーディネーター(編曲家)

お昼間のパーティなので、少し明るめのタイをつけてはいかがですか?海津さんは緑が似合うので、ポケットチーフと合わせて少しだけ光沢感のあるもので、さりげなく主張しても良いかもしれませんよ。


時々、同じ楽曲でも(〇〇Ver)みたいな感じで、別アレンジも聴ける楽曲ってありますよね。色々なシチュエーションによって、服(編曲)を変える事もできるのです。

理論武装する先生
コーディネーター(編曲家)

海津さん、もうすぐ夏ですから、夏らしく海パン1丁でいきましょう。

海津
海津

でも僕、日焼けに弱いし日差しを浴びるとすぐに体調が悪くなるのでだめなんです。

というように、いくら服装(編曲)を夏の仕様に合わせても、僕(曲)自身が夏の日差しが苦手な人
の場合、うまく成り立たない事もあります。

例を挙げると、演歌のメロディなのに、ヒップホップのループのトラックをつけちゃう、みたいなね。でも、奇跡が起きて新しい音楽が生まれる事もあります。

あくまでも僕自身が曲編曲は取り替えられる服という感覚なので、編曲家はクレジット表記されない事が多いです。

また、キャリアの長いアーティストが当時の楽曲をリリースし直すとき、リアレンジするとなった時も、当然作曲・作詞の表記名は当時のままですが、編曲を新たに施した場合は、当時の編曲家の名前は一切使われません。

ただ、こんなメリットも

作曲や作詞は、報酬は印税で支払われる事が多いですが、編曲は「買い切り」(その仕事が終わったらある程度のまとまった報酬が支払われる)が多いです。

生徒A
生徒A

えぇ〜。。それって、その後曲がいくら売れても、編曲家への報酬は一回きりって事ですよね。
継続して支払われる作曲や作詞の印税の方が良くないですか?

近年、印税生活とか言われる形で生計を立てられている作家さんって、ごく一部なんです。
しかも楽曲がリリースしてから印税が支払われるまで、結構期間がありますし(リリース後大体1年後くらいから)、楽曲リリースしたからと言って絶対売れるわけではありません。もし売れなかったら印税の額は………です。


そういう事情から、デイリーワークとしても、編曲の仕事ができていると、わかりやすく〇〇円!という報酬が入るので、精神的にも生計的にも土台を作ることができます。


実際僕も、自身の曲以外でも編曲を仕事として担当させていただく事も多いので、人様の曲だからこそ、作曲者ご本人にも良い驚きを受けてもらえるように、請負仕事としてしっかりと、楽しく制作させていただいています。

スポンサーリンク

最近はオールインワンの曲もある

Jpopの場合は、作曲(メロ)→作詞→編曲という風に、しっかりと手順を踏んで制作していく事が多いですが、洋楽的なスタイルだと、全部一緒に作ってしまう事があります。

例えば僕がやる場合だと、制作仲間数人と集まって、先に6割程度だけ作っておいたトラックに対して、その場で言葉やメロディ(トップライン)をハミングしながらつけて、それに合わせながらトラック、コード進行を追加・変更していく方法です。

こうする事により良くも悪くも「The Jpop」な楽曲から脱却することができますし、各々の得意分野を生かした、思いもよらない展開の楽曲を作る事ができます。
Kpopや、Jpopでもダンス系の楽曲でこのような方法で制作されている曲が多いですよね。

ちょっと前のKpopでも、A,Bメロはゴリゴリの洋楽ダンスっぽいのに、サビなった途端、急にいなたいJpopの歌謡メロになる、みたいな曲ありますよね。笑

制作クレジットを見てみると

作詞・作曲・編曲:Shinji Kaizu,The Asann,Unknown,Nanashi human

みたいな感じで、ひと纏めに複数人の名前が書いてあるのを見た事ありませんか?(主に海外の人の名前が多いと思います)

こういうのを、コライト(コーライト)と言います。(co-workerみたいな意味なのかな?)
でも、ここまで一纏めに名前が連なっていると、報酬の支払いや権利関係が結構面倒そうに思うんですが、実際どうなんでしょう?僕はここまで複数人の制作に参加した事がないので、わかりません。

スポンサーリンク

編曲する前と後の比較

実際にリリースしている曲から紹介したかったのですが、流石にそれはちょっとまずいので、最近自身の動画用に書き下ろしたインストの楽曲で変化を聴き比べをしてみます。

編曲前

動画のデモ演奏用

に作った楽曲のメロの状態。基本は鼻歌で作ります。恥ずかしいのを承知の上で晒します。。。

こういう小ネタ集は、街を歩いていたりふとした瞬間に出てくるので、即ボイスメモに録るようにしています。

ここまで出来たら、あなたも作曲家です!笑

(普通に気持ち悪いので音量注意)

編曲後

こんな感じになります。笑

編曲、偉大でしょ?w

何度も言いますが、メロに関しては自分の中から滲み出るものだと思っているので、インスト楽曲だとしても、必ず鼻歌で作ってから楽器に起こします。最初から楽器を弾いて作ることはほとんどありません。

スポンサーリンク

やっぱり作曲・作詞の立場の方が高いと思います。

今回、編曲の大事さ、編曲により大きく楽曲のイメージが変わる、という事を紹介しました。
でも、結局「曲自体」がよくないと、いくら編曲で盛っても限界があります。

曲や詞自体のエナジーって、何よりも大事だと思います。それに編曲が重なってまさに「鬼に金棒」になるわけです。

売れていないバンドやアーティストの楽曲を聴いていると、一聴するとカッコいいし、お金掛けてるなぁと思う事もあるんですが「魂」がなかったりするんです。もう表面だけで中身ペラペラというか。

僕自身も、メロを書いていて、微妙だな〜と思ってても「編曲でなんとかなるか」と作業を進めても、やっぱりだめな時ってどこまで盛ってもだめなんです。ほとんど仕上げたのにボツにした事も何度もあります。良い曲が書けた時は、メロだけ単体で聴いても「良い…」ってなります。

いいメロ(曲)については、以下の記事でも書いていますので、ぜひ合わせて読んでみてください。

散々書いてきましたが、自分も中身のない曲を書いてしまわないように、しっかりと心をこめて作曲をしていきたいと思います。


タイトルとURLをコピーしました