ギャラをもらうなんてダメ!なぜ音楽でお金をもらうのが悪なのか?【仕事とは苦行だ】

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仕事とは苦行

すでに古い考え方なのかもしれませんが、僕がミュージシャンとして駆け出しの頃、必死で音楽の仕事を掴もうとしていたとき、なかなか形にならず思い悩んでいた事がありました。

1番の理由は、自分の実力不足ですが、それをダシに良い様に使おうとする人たちがいました。

今となっては、周りにはとてもよくしてくれるアーティストさんや、音楽的にも大変尊敬できる方ばかりで、とても勉強させていただく機会も多いのです。

でも、こうなるまでには時々、怪しい奴やセコいバンド連中に出くわす事もありました。経験談としてお読みください。

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ケース1:「音楽でお金を取ろうなんて考えられません。」

僕は20代初めの頃はバンド等は組んでおらず、個人のギタリストとして仕事を探していたので、「サポートミュージシャン」を探しているバンドや、アーティスト、歌手の方が必要でした。


当時はそんなツテも全くなく、卒業した専門学校もそういう斡旋などしてくれる筈もないので、ネット上のいわゆる「メン募」サイトにて「正規メンバー」ではなく「サポート」のメンバーを探している投稿をあさっていました。


そんな中、歌手をしている方で「ギタリスト募集」の旨記載している投稿があったので、連絡を取ってみました。

ちなみに...
もうちょっと前の時代だと、楽器店やスタジオに「メンバー募集!」という張り紙とともに、連絡先の書いた小さいチケットが取れるようになっているものから、連絡するのが主流でしたが(懐かしいw)
僕が20代の頃はだいぶネットも普及しきっていたので、電話番号を街に晒すなんて怖すぎて無理でしたw
昔の俺
昔の俺

初めまして。当方プロ志向でギターをやっております。ギタリスト募集の投稿をみてご連絡を差し上げました。サポートのライブで是非呼んで頂きたいので、デモを送付します。

メールの向こうの人
メールの向こうの人

ご連絡をいただきありがとうございます。デモ音源聴きました。とても良い感じですね!
ぜひサポートをお願いしたいです。ライブは結構やっているので、定期的にお願いできると嬉しいです。

昔の俺
昔の俺

ありがとうございます!ちなみに、ライブ1本のギャラはおいくらになりますか?

メールの向こうの人
メールの向こうの人

??ギャラとはどういうことですか?私は音楽をやる上でお金をもらうなど、汚い事は考えていません。この話は無かったことにしてください。

えぇ〜〜〜


なにその考え。。。
こちらはアマチュアじゃなくて「当方、プロ志向」っていう定番文句すら書いているのに。。
お金をもらうのは悪なのか?と悩まされた一件でした。

どうも、形のないもの芸術、好きな事をするのにはお金が発生しない
労働こそが仕事、苦しいものである事にだけ対価が発生すると考えている人は少なくないです。


いや、お前みたいなやつのサポートするのむっさ苦行やと思うわ〜。笑

そもそも、僕ら高いお金を払って(親に払ってもらって)音楽の学校に行ったり、たくさんお金を使ってCDや楽器を買ったりしているのに、その後「自分のやる音楽はお金をもらってはいけない」と言うスタンスになる意味がわかりません。

まぁ「払う価値が無い」とは別ですがw

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ケース2:サポートミュージシャンにチケットノルマを払わせる

また別の機会で、雇い主の歌手以外はサポートのメンバーでバンド形態でのリハーサルを重ね実際にライブをした後のことでした。

音楽業界の悪しきシキタリ、”ギャラの交渉は全部終わってから

を覚えた頃だったので、お金の事は一切話していませんでした。

シンガーソングライター
シンガーソングライター

ライブお疲れ!今日ギターいてくれて助かったわ〜。
あ、ノルマ人数で割ってひとり5,000円ね。

は?

ギャラどころかコイツが捌けないチケットの自己負担金をメンバーで割り勘させられました。笑


本人からしたら自分の曲を気持ちよく歌って、豪華にバンドで演奏できた上に、呼べないお客さんのチケット自己負担ノルマも払ってもらえるという、ただのヒモミュージシャンでした。


アマチュアの頃は「経験はお金を払ってでもする」事を植え付けられていましたから、特に文句も言わず支払ってしまいました。(その支払う金はどこから稼いだら良いんでしょうか?)


お金を得るために音楽をやろうとした筈なのに、いつの間にか音楽をやるためにお金を稼いでいる事に気づきました。

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ケース3:ギャラがそいつらのグッズ

さらに時がたち、多少ファンもついているローカル歌手グループのワンマンライブでの話。


友達っぽい関係でもあったので、比較的仲良くやっていたのが良く無かったです。


リハは週に数回深夜に集まって数時間、パフォーマンスもしっかり詰めながらでかなり大変でした。
これ自体は悪くないんです。僕も音楽好きですから、ひとつのショーを作り上げるのは何より楽しいのです。

そして本番も無事終わり

歌手ユニット
歌手ユニット

お疲れ!!本当に良いライブになったね。今回はサポートしてくれてありがとう!ギャラは〇〇円なんだけど、衣装で着てもらった俺たちのTシャツを買い取って欲しいのよ。そのTシャツが〇〇円なので、相殺という事で、はい、Tシャツ!

昔の俺
昔の俺

えっえっ、衣装自己負担なんですか…???しかもそれで相殺できるギャラの額ってwww

歌手ユニット
歌手ユニット

悪いけど納得して欲しいのよ。俺たちも自分たちのグッズ自費で作ってるから。

てか、自主制作で活動してるお前らのグッズを自己負担で作るのは当たり前やろwwww

てか好きでもないお前らの顔面描いたTシャツなんかいらんわwww

この頃、まだまだ経験の浅かった僕は自分もリハーサルや練習を通して貴重な経験をさせてもらったので、ギャラは相殺で大丈夫です。


と謙虚に言ってしまいましたが、他のバンドメンバーは結構ご立腹で(当然)割とモメました。笑


こうやって、「経験だから」「友達だから」「俺たちも大変だから」と言って人の良心に漬け込む悪人が音楽業界にはたくさんいます。

ちなみに….

サポート(雇われる)側にもこんな奴がいました。

男友達A
ギターの後輩

この前勤めてる音楽教室の発表会のバックバンドをやったんですけど5,000円しか貰えなかったんですよ〜。やっすいですよね〜。ハハッ

僕はそいつに

海津
海津

てかさ、お前の弾くギターになんか5,000円の価値もないと思うねんけど。。。お金もらうだけでもありがたいと思えって。まず雇ってもらってる身で文句言うなやボケ。

ちゃんと「●ケ」まで言いましたが完全にパワハラなのでここだけ少し反省してます。


「ギャラやすい」

っていう文句?を言い合って楽しんでいる連中を見かけた事がありましたが、そもそも、雇われている身でそんな事言う資格ないし、お前にそんな価値もないのに使ってもらってるだけ有難いと思え。


学生の頃から幸運にもちょくちょく仕事を得ていたり、卒業直後くらいの連中に多かったので、
多分、ベテランのミュージシャンが言ってるのを真似していたんでしょうね。


ケース1みたいな考えが一般的な中で、まずは音楽で「お金をもらえる」だけでも超幸運なのに、文句を言うなんて考えられません。


実力が伴ってから(だとしても謙虚なミュージシャンは言いませんが。)にして欲しいものです。

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ケース4:やたら正規メンバーに誘ってくる

バンド等のサポートの歴が長くなってくると「正規メンバーへの昇格」を誘ってくださる場合も多いです。

ただ、正規メンバーになる場合って「自分が作曲した楽曲を演奏する資格」や「自分がバンド運営に携わる」事ができるわけですよね?

でも、ケース2のように、実際はリーダーや中心核のメンバーのワンマン運営で他のメンバーに資格は与えないのに、「正規メンバーになる事によりバンド経費を払わせる」事が薄ら目的で見えている場合が時々ありました。

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番外編:「好きな事を仕事にできて良いわねぇ〜」

年配の方に言われる事が多いのですが、「好きな事を仕事にできて良いわねぇ〜」「あなたは好きな事を仕事にしているのに大変とかしんどいとか言うな」みたいな事を言われる事が時々ありますが

そうなんです。え、好きな事仕事にできてないんですか?めっちゃ残念ですねそれ

と返答させていただいています。笑

幸せは仕事以外にも感じるものですが、やりがいのある仕事、好きな仕事、と言うのはジャンル関係ないと思います。音楽だって辛い時、しんどいことはあります。

まとめ

…とまぁ、ほとんどただの文句になってしまいました。さすがに今はこういう連中に出くわす事は無くなりましたが、音楽を仕事にしてお金をもらえるようになるまでには、簡単じゃなくこのような経験を沢山してきたので、プロを目指す方には参考にしていただけたら幸いです。


とはいえ、「仕事にならない」のは「自分自身」の問題がとても大きいです。最初から「ギャラください」なんて言う奴には仕事なんかありません。専門学校とか音大とかに高い学費払ったのかもですけど、音楽学校を出たくらいの人じゃ使い物になりません。そして経験はお金を払ってでもするべき時期は誰にでもあります。そして、そこを抜け出すタイミング見逃さないように、しっかりご自身の立場を見極めてみてください。

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